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バレーボールの怪我、どう治すのが正解?ガイドラインに基づいた「3つの障害」の基礎知識
バレーボールはジャンプやスイング、急な切り返しが繰り返されるスポーツです。 「たかが痛み」と放置すると、慢性化してパフォーマンスを大きく下げる原因になります。ここでは、各種診療ガイドラインで推奨されている「正しい知識と治療のステップ」を分かりやすく解説します。
1. ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
【正体】 ジャンプや着地を繰り返すことで、膝のお皿とすねの骨を繋いでいる「膝蓋腱(しつがいけん)」に小さな傷が重なり、炎症や変性が起きている状態です。
【ガイドラインによる治療のポイント】
まずは「活動性の調整」から: 完全に休止するよりも、痛みの強さに応じて練習量をコントロールすることが推奨されます。
物理療法の活用: 炎症の緩和や組織の修復を促すための電気・超音波刺激、冷却(アイシング)が有効とされています。
筋力トレーニングとストレッチ: 膝への負担を減らすため、太もも(大腿四頭筋)だけでなく、お尻や太ももの裏側の柔軟性を高めることが再発防止の鍵です。
2. バレーボール肩
【正体】 アタックやサーブの動作で、肩のインナーマッスルが挟み込まれたり(インピンジメント)、過度に引っ張られたりして痛みが起こります。バレーは野球に比べ、打点が高い位置での動作が多いため、肩の前方や深部に負担がかかりやすいのが特徴です。
【ガイドラインによる治療のポイント】
患部の安静と炎症コントロール: 痛みがある時期は、無理なスイングを避け、投球(打球)を制限します。
肩だけを診ない「全身調整」: 肩の痛みであっても「股関節の硬さ」や「体幹の不安定さ」が原因であるケースがあります。全身のバランスを整えることが、肩の負担を減らす最短ルートです。
インナーマッスルの再教育: 重いダンベルではなく、ゴムチューブ等を使った「低負荷」のトレーニングで、肩を支える小さな筋肉を正しく働かせることが推奨されます。
3. 足関節捻挫(あし首のねんざ)
【正体】 ジャンプの着地などで足首を内側にひねり、外側の靭帯(前距腓靭帯など)を損傷した状態です。バレーボールではネット際での接触による受傷が非常に多く見られます。
【ガイドラインによる治療のポイント】
初期は「PEACE & LOVE」: かつてのRICE処置に加え、現在は「適切な荷重」や「血流の促進」を組み合わせた「PEACE & LOVE」管理が主流です。過度な安静よりも、痛みのない範囲で早期に動かし始めることが推奨されています。
機能的サポート(サポーター・テーピング): 靭帯の修復を助け、再受傷を防ぐために、適切な強度の固定具を使用します。
バランス能力の訓練: 捻挫をすると「足首のセンサー(固有受容感覚)」が鈍ります。片足立ちなどのバランス訓練を行うことが、再発率を大幅に下げるとされています。
競技復帰へのステップ(ロードマップ)
ガイドラインでは、以下の段階を踏んで復帰することを推奨しています。
急性期: 痛みと腫れを抑え、組織の修復を待つ。
回復期: 柔軟性と筋力を取り戻し、全身のバランスを整える。
復帰準備期: ステップ動作や軽いジャンプなど、バレー特有の動きを開始する。
完全復帰: 対人練習、試合形式へ。
最後に
怪我を抱えたままのプレーは、他の部位の怪我を誘発する「代償動作」に繋がります。 ガイドラインに沿った適切なアプローチを行うことで、結果として復帰までの時間は短くなります。少しでも不安を感じたら、早期に専門家へ相談しましょう。




